危機的状況を防ぐための介護教室での老老介護対策

知識や技術が乏しいと、思うように介護をするのはなかなか難しくなるものだ。老老介護という状態に陥った際、介護スキルの乏しさから、介護者の心身に必要以上に負担がかかることがある。介護には、入浴、排泄、移動等の介助が必要だが、それらは身体に負担がかかりやすい作業である。介護スキルが全くないまま介護すると、身体を負傷しやすくなってしまう。
老老介護は介護者が孤独な状態に陥りやすく、精神面での負担も大きくなりがちだ。介護前は夫婦仲がよかったとしても、介護状態に入ったことでコミュニケーションがうまくいかない、スムーズに介護の作業が進まない等の弊害が出てくる。介護者が精神的ストレスを抱えがちになり、夫婦の間に亀裂が生じたり、場合によっては虐待にまで発展する恐れもあるのだ。

そのため、老老介護の状態に陥る前から、夫婦で介護について学習することがとても重要になる。各自治体では、市民のための介護教室が開かれていることがある。夫婦で介護スキルを学び、身体の使い方等を知ると、実際に介護が必要になった際に役に立つ。お互いを認め合ったり、配慮したりする心を保つことの大切さも学べるだろう。
介護というものは、思い通りにはいかないものだ。老老介護なら、なおさら上手くいかないことのほうが多いだろう。介護教室での学習は、老老介護でたいへんな状況に陥ることを防ぐための対策となり得るため、機会があれば夫婦で参加するのもおすすめである。