介護を受ける人、介護を担う人がともに65歳以上である世帯は、老老介護の状態に陥っているといえる。高齢化が進む日本では、老老介護の世帯が増え続けている。老老介護の世帯では、高齢者が高齢者を介護している。しかし、高齢者が介護を担うのは負担が大きく、並大抵のことではない。
介護というものは、気力や体力を大きく奪いがちだ。若い人でもたいへんな介護を高齢者が行えば、精神的にも肉体的にも大きな負担となるのも無理はないだろう。高齢者は、自身が病気を抱えていることもあり、思うように介護を担うことができない場合が多い。介護は24時間気が抜けないものでもあるため、介護を担う人が体調を崩すと共倒れしてしまうことも考えられる。さまざまな問題を抱える老老介護は、大きな社会問題となっている。
要介護認定を受けている場合、老老介護の対策のひとつとして介護保険サービスの利用が挙げられる。ホームヘルパーが排泄、食事、入浴等の介助を行う訪問介護や訪問入浴介護、生活支援やレクリエーション等を受けることができるデイサービス、介護施設に一時的に宿泊するショートステイ等のさまざまなサービスがあり、それらを利用できる。
高齢者が介護を担うのは大変なことである。非常に大きな負担がかかるため、一人で抱え込んでしまうのは危険だ。誰かに頼ることで、うつ病等の精神疾患を防ぐことにもつながる。老老介護世帯はさまざまな対策をとり、介護を担う人の負担を減らすことが重要となる。