老老介護と認認介護の違いとは

高齢化が進む昨今、老老介護と認認介護という言葉を耳にする機会も増えてきた。これらは、介護する側と介護される側の関係性に名付けられたものである。老老介護とは介護する側の人が65歳を超えた高齢者であることを指し、認認介護とは介護する側と介護される側の両方が認知症患者である場合を指している。
老老介護と認認介護には、それぞれ複数の問題点がある。まず老老介護は、高齢者が介護する側になることで若い人が介護をする場合の何倍も体力を消耗しやすい。1つひとつの動作も遅くなってしまうため、介護される側にも自然と負担がかかりやすいのだ。介護の負担から介護する側が心身ともに辛い状況となり、いつの間にか介護を担う人がいなくなる危険性もある。

また、認認介護の場合、食事や服薬、体調などさまざまな管理ができないという問題点が挙げられる。特に薬は飲み過ぎても飲み忘れても危ないことが多く、最悪の場合命の危険にさらされる事態を招いてしまう。料理をするために火を使ったまま、その火を消し忘れてしまうこともあるのだ。認知症を発症する人に高齢者が多いことから、老老介護は次第に認認介護へと変化してしまう可能性が高い。
高齢者だけで生活している場合には、地域の人との関わり合いを大切にすることが必要だ。地域によっては、民生委員やボランティアを活用し高齢者の見守りを行っているところもある。夫婦2人で介護施設へ入居するのもいいだろう。夫婦揃って同じ部屋に入居できる場合もあるため、老老介護の可能性を感じたら事前に調べておくのがおすすめだ。